英検3級は、高校受験に有利なことから、チャレンジする中学生が多いです。
内容は中学卒業程度なので、中1・中2にはハードルが高く、中3もギリギリの印象ですよね。
英検3級の試験内容と中学生の合格率をふまえて、何から始めるのか勉強法を解説します。
英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
英検®3級の試験内容と合格率
英検®3級の試験内容
英検3級のレベルは、中学卒業程度とされています。
公式サイトでは、「身近な英語を理解し、使用できること」が求められる、とあります。
試験は、「リーディング」「ライティング」「リスニング」「スピーキング」の4技能すべての力をはかります。
3級の特徴は、ライティングと面接試験が新たに加わる点です。
リスニングも、第1部だけ1回しか流れず、第2部第3部は2回ずつ流れ、難化します。
その分、試験対策は3か月から半年くらいかけて、準備をしたほうがよさそうです。
定期テストのような一夜漬けが通用しないことは、心にとどめておきましょう。
英検®3級の合格点
1問につき何点という配点はなく、CSEスコアという受験者数と正解率にもとづいた得点方法をとっています。
つまり、受験者が正確な自己採点をすることができません。
3級の問題数とCSEスコア、合格基準スコアは次のとおり。
リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング (二次試験) | |
問題数 | 30 | 30 | 1 | 6 |
CSEスコア | 550 | 550 | 550 | 550 |
合格基準スコア | 1103/1650 | 353 |
英検®3級の一次試験
この表ではよくわからないと思うので、詳しく解説します。
一次試験では、リーディング、リスニング、ライティングの3分野で50分の試験をします。
うち、リスニングは25分です。
一次試験は1103/1650が合格基準なので、100点換算で67点になります。
しかし3分野とも、等しく550点ずつなので、リーディングとリスニングが満点で、英作文が白紙だと不合格になってしまいます。
3分野すべてでバランスよく6割以上取ることが合格の条件となります。
リーディングとリスニングは、それぞれ19/30問以上正解が合格ラインになりそうです。
できれば、不正解はリーディング、リスニングとも10問未満におさえたいですね。
英検®3級のライティング
一次試験のライティングの採点方法は、ちょっと特殊。
与えられた質問に、25~35語の英文で答えます。
採点基準は次に示す4つの観点をもとに、各0~4点の合計16点で採点されます。
- 内容:課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているか
- 構成:英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
- 語彙:課題にふさわしい単語・熟語などが正しく使えているか
- 文法:文法的に正しい英文が書けているか
課題に全く答えていない、あるいはまったく関係ない英文があると、0点の可能性があります。
詳しくは、英検の公式サイトを見てください。
ライティングはあまり練習したことない中学生は多いと思います。
配点は1/3もあるので、ライティング対策しだいで合格が決まると断言できます。
英検®3級の二次試験
- カードにある30語程度の英文を音読する
- 文章の内容に関する質問1問に答える
- イラストに関する質問2問に答える
- 受験者自身の日常生活に関する質問2問に答える
試験時間は5分程度です。
質問がよくわからず聞き返すとき、自然な流れで聞き返せば減点になりません。
答えられなかった質問が2問以上あると、合格は難しいかもしれません。
緊張しすぎて一言も言葉が出ないことだけは、避けましょうね。
英検®3級うけた中学生の合格率は?
公式では、2016年以降の合格者数は公表されていません。
以前は毎年約60万人が受験して、50%くらいの合格率だったそうです。
2019年まで毎年英検全体の受験者数は増えていますが、2017年から合格点はずっと変わっていません。
中1・中2・中3と学年ごとの合格率は不明ですが、問題の難易度は毎回同じです。
中3でも難しいと感じる人もいれば、中1でも易しいと感じる人もいます。
「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能が、3級のレベルに届いていれば、だれでも合格できます。
ですから、当日までノー勉や一夜漬けはまったく試験を受ける意味がありません。
自分の英語力をきたえることが、英検の本当のねらいです。
英検®3級に合格できる勉強法
英検3級の特徴を説明しました。
まだどんなテストか分からない人は、最低でも3か月から半年以上、対策をしましょう。
現状、まだ習っていない単語と英文法がたくさんあるかもしれません。
順を追って、何から始めるか説明します!
何から始めるか分からない人におすすめ
まず、勉強を何から始めるか、わからない人におすすめのテキストを紹介します。
英検3級超初心者向けが、「わからないをわかるにかえる英検3級」です!
このテキストで、過去問が解けるレベルになるまでに必要なことが一通りおさえられます。
- 英文法
- 単語と熟語(最低限)
- 長文
- リスニング
- 英作文
- 問題の傾向
PC・タブレットで問題集を1まとめにしたい人は、こちらもどうぞ。
英単語をおぼえる
英検3級は単語をどれだけ覚えているかが、4技能すべての基本となります。
『でる順パス単』にある単語は、受験までにすべて覚えておきましょう。
しかし、やみくもに英単語・熟語を暗記をしていても、効率がよくありません。
おすすめの勉強法がこちらです。
これはリスニングとスピーキングの対策にもなるからです。
単語の発音は、携帯アプリやパソコンから何度でも聞くことができます。
英検公式の「スタディギア」、旺文社の「英語の友」、「英検ネットドリル」、などがあります。
なかでも、「英語の友」は無料アプリなので、必ずダウンロードしてください。
パス単の単語を聞くだけでなく、過去問のリスニングもできます。
「英語の友」のAndroid版はここから、ios版はここから
リスニングの練習
英単語が半分くらい覚えられたら、リスニングの練習を始めましょう。
3級から第1部だけ1回しか放送されないので、難しく感じるかもしれません。
リスニングの練習は次のとおり。
人間は自分が発音できる音だけしか、聞き取りができません。
ですから、リスニングの向上には、シャドーイングが近道です。
元の音声と同じような発音と速度で、英語の音読をしましょう。
はじめは上手く発音できないかもしれません。
しかし、英語の音に耳や口がなれていないだけで、練習を続けたら必ずリスニングが得意になります。
1日10分程度でもいいので、音読を続けてください。
スピーキングの練習にも最適です。
リスニングに特化した問題集・テキストはありませんが、「わからないをわかるにかえる」や「全問題集」などが有効です。
ライティングの練習
英単語、リスニングの次は、ライティングを始めましょう。
3級のライティングには、テンプレート(決まった型)があります。
こんな感じです。
このテンプレートにそって、英文を書くことに慣れましょう。
たとえば、どの季節が一番好きか、という問いに対して
のように書けます。
はじめは、理由2つ書くのが簡単ではないかもしれません。
つぎの順序で、練習してみてください。
例えば、夏休みが長い、という表現なら、We have a long summer vacation. Our summer vacation is long. there is a long vacation in summer. などあります。
いろんな表現の仕方を知ることで、試験本番中に「書くことがない」「語数が足りない」なんてことが避けられます。
ライティングの練習をしたときは、回答を必ず先生に見せて、添削してもらいましょう。
過去問を解く
問題の解き方に慣れてきたら、時間を測って過去問を解いてみましょう。
リスニングが25分なので、リーディングとライティングは25分以内に終わらせなければなりません。
時間が間に合わなかったら、どこに時間がかかっていたか、何分を目安に解くか、振り返りましょう。
正解数は41問以上に達しましたか。
間違えたところは、現時点での弱点です。
なぜ間違えたのか、正しい答えがわかれば、似たような問題が出たとき、間違えずに済みます。
英検の公式サイトから、過去問が3回分無料でダウンロードできます。
『英検3級 過去6回全問題集』はくわしい解説がついています。
『パス単』と『全問題集』など1まとめに学習したい人は、こちらもおすすめです。
英検®3級対策は計画的に
というわけで、一次試験の対策だけで半年から3か月はかかる理由が、ご理解できたでしょうか。
まとめると
- 単語をおぼえる
- リスニングはシャドーイングで練習する
- ライティングは英語表現のひきだしをたくわえる
- 過去問は時間以内に41問以上正答する
となります。
これらの勉強を一夜漬けでするのは無理があります。
英検3級の対策は計画的にやっていきましょう。
このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。