学生のうちは、何となく普通のレールに乗った人生を歩むと思っているかもしれません。
あるいは、日本では普通のレールから外れたらやり直しができない、と悲観する人もいるでしょう。
しかし実態は厳しい人生が待っているものの、やり直しのチャンスがあるにはある、ことが明らかです。
2024年までの文科省や厚労省などのデータにもとづいて、人生をやり直せるチャンスを見てみましょう。
普通のレールって何?
1990年の普通のレール
まず、普通のレールが何か、日本人が思い描く人生設計を紹介します。
これも現在と1990年ごろで大きく変化しているのは、わかると思います。
ざっくり2つのルートがありました。
1,高卒から就職
2,大卒から就職
ルート1、2とも、就職と結婚は1回きりが理想でしたが、実態は違います。
まず、1990年ごろは大学進学志望者の3分の1が浪人したほど、大学が足りない時代でした。
男子の大学進学率が33.4%に対し、女子は15.2%と約2倍の格差がありました。
現代から見て意外と感じるのが、1990年時点で男女格差がまだそれなりにあったことです。
1990年の初婚平均年齢は、男性28.4歳、女性25.9歳で、1975年から男女とも上昇していました。
女性のほうが早く結婚し、年齢が2~3歳くらい離れていました。
また女性は結婚を機に退職して専業主婦になることが、まだ多かったです。
とはいえ、1980年代から共働き世帯が増え続け、1991年から2000年まではほぼ同数でした。
ちなみに、1990年で50歳までの未婚率は、男性5.57%、女性4.33%と、少数だったことがわかります。
しかし、女性が生涯で産む子供の平均(合計特殊出生率)が1990年に1.54となり、1966年のひのえうまの1.57を下回り、少子化が顕著になりました。
- この時代は「普通のレール」が機能していた
- 学歴・就職・結婚で男女の格差がそれなりにあった
- 夫に経済的に依存したものの、働く女性が増え始めた
- 少子化が社会問題になり始めていた
2024年の普通のレール
この35年で社会が劇的に変化しました。
会社員の夫、専業主婦の妻、子供からなる「核家族」というモデルが、もはや多数派ではありません。
大学進学率が男女とも約60%で差がない一方、高卒就職は14%にとどまっています。
ネット上で、「いい大学に入る→大企業に就職する…」というレールから外れたら人生終わりなんて言われています。
しかし、1990年でもこのレールは難易度が高く、「普通のレール」はもう少しゆるかったはずです。
その比較的ゆるい昔の「普通のレール」から外れる人が続出して、「レール」としての機能を失ってきたからです。
バブル崩壊、就職氷河期など、ひどい目に遭った大人がいるために、安全策を取ろうとして、人生の難易度が上がってしまったように見えます。
古いままの価値観、新しい価値観、見栄、不安などを詰め込んだ結果が、「普通」というレールだと言えます。
そのレールは遠目ではほぼ真っすぐでも、近くで見れば穴だらけのガタガタです。
なぜ、そう言えるのか、今から説明します。
学歴というレールから外れたら
高校入学のレールから外れた場合
2024年文部科学省「学校基本調査」から、高校のレールから外れた場合を見ていきます。
・中卒の進路
| 全体 | 高校(通信以外) | 専修学校など | 就職 | それ以外 |
| 1070599 | 993497 | 4096 | 1465 | 9060 |
不登校の子供が2024年に過去最高を更新したと話題になりました。
不登校の中学生は21万6266人で、このうちの何人かが高校に行けないのでは?と思うかもしれません。
実際はかなりの数の不登校だった子供が、高校に進学しています。
普通科工業科などの全日制高校に通う子もいれば、定時制高校や通信制高校に通う子も多いです。
この数字にはありませんが、約5万人が通信制高校に進学していると思われます。
定時制高校には、働きながら高校に通う人が187人、フルタイムで働く人も82人います。
この表の専修学校は専門学校に近く、大学等進学できる高等課程とそれ以外の一般課程に分かれます。
高等専修学校の生徒の2割が、不登校を経験したと答えています。
それ以外には、外国の高校などに進学した者も含まれており、2023年は1635人いたことがわかっています。
2024年も1600人程度はいたと見ていいので、7400人くらいが中学卒業後何もしていないと言えるでしょう。
その数は中卒就職より多いと言えますが、中学校の先生が努力をして次の進路につなげているとも見えます。
高卒のレールから外れた場合
・高卒の進路
| 全体 | 大学短大(%) | 専修専門(%) | 就職(%) | それ以外 |
| 918850 | 568729(61.8) | 142468(15.5) | 124794(14.0) | 41273 |
高卒で就職する人がかなり減った代わりに、大学進学率が上がっているのがわかります。
1990年に高卒就職したのが35.2%だったのと比べて、2分の1以下に減っています。
1994年に30%を切り、2000年に20%を切り、この時期に高卒就職が悪化したようです。
現在は大学進学での男女差がほぼなく、2024年で男子60.5%女子63.1%でした。
浪人生は激減して、共通テストの受験者から約7万人弱と推計されています。
大学志願者が57.5万人であることから、純粋な浪人生(一浪)は約7000人と推計できます。
かなりの数の仮面浪人や社会人が共通テストを受験しているのでは、と考えられます。
「それ以外」には、浪人約7000人や海外大学への進学者約1600人(2023年度)も含んでいます。
そう考えると、高卒者の約3万人が本当に何もしていないと言え、中学卒業時の約4倍に増加しています。
2022年に高校中退者は43401人(1.4%)で、うち原因が不登校は10492人だったことがわかっています。
高校生の不登校全体はこの年に60572人で、中退・不登校とも2020年以降増加傾向にあります。
では、この4万人はお先真っ暗かというと、そんなわけはありません。
リカバリーのルートがちゃんとあります。
高校をやり直すルート
高校をやり直すルートは、2つあります。
1,通信制高校の進路(2023年)
| 全体 | 大学など | 就職 | 派遣・アルバイト | それ以外 |
| 84450 | 22342 | 11468 | 5474 | 23798 |
ひとつは通信制高校に進学する方法です。
中学卒業してそのまま進学する他に、高校の途中から通信制に転校することも可能です。
通信制に途中転校した場合、高校卒業に必要な残りの単位だけを取ればいいので、
1年くらいで高校卒業要件を満たすことが可能です。
通信制は時間割が比較的自由で、自分のペースで勉強できたり、課外活動や友達作りもできたりします。
ただ、27.8%にあたる2万4千人が、将来の進路を見つけられていないところが、復活の難しさを物語っています。
2,高卒認定試験(2024年)
・合格者の内訳
| 中卒 | 高校中退 | 高校在学 | 定時通信 | 高専中退 | その他 |
| 760 | 3888 | 1673 | 864 | 93 | 470 |
・年齢内訳
| 16-18歳 | 19-20歳 | 21-25歳 |
| 66.7% | 10.7% | 7.4% |
高卒認定試験は、8月と11月の年2回開催されています。
2024年の受験者は15585人で、合格者は7748人です。
この合格者は全科目を合格できた者をさし、再受験では不合格の科目だけ挑戦できます。
この試験に合格できれば高卒と認められ、大学や専門学校への受験資格が得られます。
受験者の77%は25歳以下と、若い人の人生のやり直しに最適です(高齢の受験者もいます)。
ただし、すでに高校を卒業した人は、この試験を受けることはできません。
というわけで、大学や専門学校を受験するまでは、さまざまなセーフティーネットが存在します。
大卒のレールを外れた場合
1,大卒の進路(2024年)
| 全体 | 大学院 | 就職 | 有期・アルバイト | 研修医 | 専門・留学 | それ以外 |
| 590487 | 69347 | 439024 | 24315 | 10319 | 5043 | 45344 |
各大学のサイトには、軒並み就職率90%以上なんて書いてありますが、本当のところは大卒全体の74.3%です。
有期雇用は20877人で、1年~数か月契約の教員や公務員も含みます。
それ以外の約4万5000人は、本当に何もしていない人か、大学の就職課に報告し忘れたかのどちらかです。
就職浪人は新卒でなく中途採用扱いになり、面接時に空白期間に何をしていたのか必ず質問されます。
とはいえ、日経新聞によると、従業員1000人以上の大企業のうち、90%以上が中途採用を実施しています。
ただし、第二新卒や20代の応募者との競争になるので、「新卒」枠より厳しくなるでしょう。
就活のスタートに出遅れた大学生は、親しい教授や親御さんと相談して「就活留年」を選ぶこともありです。
欲しい座席は自分からあらゆる手段を使って努力でつかみ取る、この勇気があるかないかで人生が決まります。
受け身でお客様マインドの人生から脱することが、本当の人生の始まりと言えるでしょう。
2,大学生の中退率(2024年度)
| 中退者(率) | 転学 | 就職・起業 | 留学 |
| 50516(2%) | 22.3% | 14.8% | 0.6% |
大学の中退率は、高校よりもやや高く2%です。
転学の22.3%は仮面浪人(大学に在籍して別の大学・学部を受験する)が成功したパターンともとれます。
転学、就職・起業、留学は、いずれも前向きな理由での中退と言えるでしょう。
ただし、大学生でも16.3%が学生生活の不適応を理由に中退しています。
また高校までと比べて私立の割合が高いため、経済的困窮が中退全体の13.2%と無視できない数字です。
学業不振と並んで精神疾患も7%と多く、休学理由では海外留学の次に精神疾患が多いです。
学業不振は特に理工学部で多く、過去問の入手など友達や先輩との人脈づくりが重要になります。
勉強や学生生活の行き詰まり、将来の不安などの原因で、ストレスを抱えやすいことを知っておきましょう。
ほぼすべての大学に学生相談室があり、小中高のスクールカウンセラーよりも歴史は長いです。
大学は基本自分から動かないと誰も助けてくれず放置されることがよくあります。
職歴のレールを外れたら
就職のレールを外れた場合
1,3年以内の離職率(2022年度新卒)
| 中学校 | 高校 | 短大など | 大学 |
| 54.1% | 37.9% | 44.5% | 33.8% |
厚生労働省が2025年10月に発表した数字です。
全体的に1993年から2005年まで上昇傾向がつづき、2007年から再び上がり始めここ13年間横ばいが続いています。
とはいえ、これでも最も厳しい時とくらべて、3年以内に仕事を辞める割合は減りつつあります。
高卒は特に1年以内、つまり職場に慣れないうちに自分に合わないと思ってしまうケースが多いようです。
大卒就活と比べて、高卒は複数の企業を比較検討する時間がなかったり、地元中小企業に偏っていたりします。
短大卒は「看護」や「保育」の他、規模の小さい企業が多いためと考えられます。
しかも転職市場では大卒との競争になるので、よりよい条件の職場を見つけることが難しくなります。
退職理由によくあるのが、「思っていた仕事と違う」というギャップ(リアリティショック)です。
企業は良いイメージしか表に出さないので、入社してみないと本当のところは分からないのが事実です。
医学部、教育学部卒でも学生の能力と、現場で必要な能力や評価軸がまったく違うことは、よくあります。
OB, OGなど先輩の体験談、会社四季報、就職四季報のデータ、など見ておくことをお勧めします。
2,離職率の高い業種(2022年卒)
| 業種 | 高校 | 大学 |
| 宿泊・飲食サービス業 | 64.7% | 55.4% |
| 生活関連サービス・娯楽 | 61.5% | 54.7% |
| 教育・学習支援 | 53.6% | 44.2% |
| 医療福祉 | 49.2% | 40.8% |
| 小売 | 48.3% | 40.4% |
いずれも社会には必要な仕事ですが、便利さの裏で収益が上がりづらく、働く人の犠牲で成り立っています。
しかし人によっては、これらの仕事に適性があって、楽しく続けられています。
事業所規模では、1000人以上は離職率が高卒・大卒とも30%未満に対し、100人未満は40%を超えています。
厚労省のデータ上では「鶏口牛後」より「寄らば大樹の陰」だと言えるでしょう。
逆に離職率の低い業種がこちらです。
| 高校 | 大学 | |
| 電気・ガス・水道・熱供給 | 14.4% | 12.4% |
| 鉱業・採石業 | 22.9% | 19.1% |
| 製造業 | 28.6% | 21.2% |
| 複合サービス業 | 27.3% | 28.8% |
| 金融業・保険業 | 29.7% | 25.0% |
また、今後人手不足や高需要が予測される業種も注目です。
正規・非正規雇用の割合
1,正規・非正規雇用の数(2024年)
| 正規 | 非正規 |
| 3645万人 | 2126万人 |
2,年代別の非正規雇用者数(2024年)
| 年代 | 15-24 | 25-34 | 35-44 | 45-54 | 55-64 | 65歳以上 |
| 万人 | 290 | 230 | 301 | 421 | 452 | 433 |
このうち、正社員として働く機会がないと答えたのは、180万人(8.7%)です。
この非正規労働者には、パート48.3%がふくまれています。
年齢が上がるごとに非正規雇用者が増えいるのは、就職氷河期の影響でしょう。
一度は正規の仕事に就いたものの、転職を繰り返すうちに非正規雇用に落ち着いたケースも考えられます。
また、学歴別のデータ(2023年)もあります。
| 最終学歴 | 正規 | 非正規 |
| 中卒 | 34% | 66% |
| 高卒 | 63.5% | 35.8% |
| 専修 | 80.8% | 29.1% |
| 高専短大 | 68.7% | 31.3% |
| 大卒 | 87.3% | 12.7% |
| 大学院 | 81% | 19% |
このデータでは高専と短大が一緒になっているものの、高専は大卒よりも就職が安定しています。
高学歴ほど正規雇用者が多いとは言えず、大学院はむしろ大卒より非正規が増えているのが皮肉です。
データからも、高卒より四年制大学卒の方が無難といえるかもしれません。
しかし、学習意欲が皆無の学生を寄せ集めた大学のように、「大卒」を活用できるかは個人の能力によります。
転職には2つのルート
前述した通り、1000人以上の大企業の90%以上が中途採用しているくらい、転職が珍しくなくなっています。
各年代の転職回数について、ネットアンケートによる調査結果がこちらです。
| 0回 | 1回 | 2回 | 3回以上 | |
| 20代 | 62.3% | 23% | 9.3% | 5.4% |
| 30代 | 44.5% | 22.8% | 14% | 18.8% |
| 40代 | 34.4% | 17.4% | 14.8% | 33.5% |
| 50代 | 31.7% | 14.4% | 14% | 40% |
データは正確ではないものの、3分の2以上に転職の経験があることがわかります。
就職氷河期に就職した40代から50代前半でも、3分の1は新卒で入社した会社にそのまま勤めています。
しかし、転職経験者のすべてが、賃金上昇に成功した勝ち組とは限らないことです。
なかには、ハローワークに通年で募集するが、ほとんど1年以内に離職してしまうような会社もあります。
内定が簡単な企業は、年中人手不足で、昇給が見込めず、人間関係が悪い、など問題を抱えています。
なので、明確なキャリアプラン、スキルや経験の蓄積、転職先で活躍したいことの明確化、などがカギです。
最初に大企業はハードルが高くても、零細企業からステップアップして、大企業の中間管理職に昇進した例もあります。
転職は、うつ病手前の疲弊しきる前から始め、転職エージェントにお金を支払った方が成功率が上がります。
ハローワークの求人は企業が無料で出せるので、お金のない企業が集まるためです。
結婚のレールを外れたら
初婚のレールを外れた場合
1,未婚率(2020年国勢調査)
| 男 | 女 | |
| 25-29歳 | 76.4% | 65.8% |
| 30-34歳 | 51.8% | 38.5% |
| 35-39歳 | 38.5% | 26.2% |
| 40-44歳 | 32.2% | 21.3% |
| 45-49歳 | 29.9% | 19.2% |
| 50-54歳 | 26.6% | 16.5% |
男女とも55歳まで一度も結婚したことない割合は、急上昇を続けています。
ひとつは、男女とも雇用形態や収入が不安定化したことが原因に挙げられます。
恋愛結婚がお見合い結婚を上回ったのが、1960年代後半からです。
以後、旧来の家父長的な圧力で結婚することが、徐々に下降していきます。
1990年ではお見合いは12.7%まで下がり、恋愛結婚が80%を超えました。
結婚平均年齢は男性31.1歳女性29.7歳ですが、最頻値は女性26歳男性27歳です。
交際期間は3年~4年が多く、25歳までに結婚相手と出会っていることがわかります。
最近は、大学のサークルやゼミなど学生時代に知り合い、結婚に至るケースが増えてきています。
少人数でコミュニケーションを取りやすく、年齢や学歴に差がないため、その後も離婚リスクも低いです。
一方、職場恋愛は減少傾向にあり、セクハラリスク、プライベートと仕事を分けたい、などの理由があります。
また2010年代から結婚相談所やネット経由で結婚に至ったケースも増えています。
共働きがほとんど
1,男性の収入と女性の就業率(2017年)
| 男性の収入 | 300万円台 | 400万円台 | 500万円台 | … | 800万円台 |
| 女性の就業 | 72.9% | 68.7% | 62.6% | … | 50.8% |
| 子ありの女性 | 71% | 67.2% | 59.5% | … | 46.3% |
専業主婦が50%を超えるのは、800万円台以上からだが、夫の収入に関わらず女性の40%以上が働いています。
2024年の「民間給与統計実態調査」から、20代後半の男性平均給与は438万円、30代前半は512万円です。
しかし、中央値や可処分所得を加味すると、結婚に適した男性の多くは300万円~400万円台といえます。
婚活女性は専業主婦希望が高いが、共働きでないと家計を支えるのが難しいです。
女性でも年収が300万円前後ある正規雇用のほうが、結婚しやすいことがわかっています。
2,第1子出産時の女性の就業有無
結婚後も働く女性は多いですが、子どもが生まれてから雇用形態が変化しています。
出産前に職に就いていた女性は72.2%で、その後も就業継続しているのは38.3%と半数に減っています。
年収150万円以上の女性は、30代後半から徐々に下がっています。
夫婦共働き1173万世帯のうち、女性がパート勤めが617万世帯で、フルタイムの466万世帯を上回っています。
男女平等が進んだとはいえ、出産後は女性が育児を担い、徐々に男性の収入に依存する傾向が強いです。
ひとり親のリスク
1,日本の家族形態(2020年)
| 家族形態 | 単身 | 夫婦と子供 | 夫婦のみ | ひとり親と子 | 3世代 |
| 割合 | 38% | 25% | 20% | 9% | 7.7% |
1990年は夫婦と子供が47%と最多でしたが、2020年では25%にまで減少し、単身世帯が最多を占めています。
しかし、ひとり親と子の家庭も少なくないことがわかります。
2022年のデータでは、ひとり親家庭のうち119.5万世帯(88.9%)が母子家庭です。
子供が生まれた後、女性が正規の仕事を辞めてパートに移る傾向があるので、離婚後はよりハードになります。
2,離婚時の末子の年齢
| 2歳以下 | 3-5歳 | 6-8歳 | 9-11歳 | 12-14歳 | 15-17歳 |
| 45.7% | 22.7% | 14.6% | 8.9% | 5.7% | 2.3% |
3,離婚前後の女性の就業
| 正規雇用 | 非正規雇用 | 不就業 | |
| 離婚前 | 24.7% | 52.2% | 23.1% |
| 離婚後 | 40.8% | 49.8% | 9.4% |
母子家庭になった時、30代の女性が半分弱を占めています。
うち、末子が5歳以下と長時間労働が難しい場合が、約70%もあります。
女性にとっては、これまでの人生にない過酷な状況であると言えます。
日本の相対的貧困は1人あたり127万円未満をさし、ひとり親世帯の貧困率は48.1%と半数近いです。
児童手当、ひとり親家庭住宅手当、自立支援教育訓練給付金、などセーフティネットがあります。
詳しくは、お住まいの自治体の福祉担当窓口に相談できます。
人生のレールから外れたら
このように、法律やマナーを守り、健康であるだけでは、「人並み」の人生を歩めないです。
人間関係やおかれた環境の変化によって、だれでも「普通のレール」から外れるリスクがあります。
職業によっては新技術の登場で、既存のスキルが役に立たなくなり、ブラシュアップを余儀なくされます。
大事なのは困難に直面したとき、自分の環境を好転させる方法を見つけることではないでしょうか。
物事を単純化して考えることを止めて、社会や他人を非難したり、逃げたりしても、その問題はあなたをつつきまわします。
大きすぎる問題はだれかの手を借りてもいいですが、最終的にはあなたの力で克服するべきです。
そうして初めて、自分らしい自由な人生を歩めるといえるでしょう。
