理系の受験生には、共通テスト社会をほとんど勉強できていないかもしれません。
数学ⅢCと化学・物理の量が多くて、他の教科に手が回らなくて困っていると思います。
社会に時間が取れても、せいぜいスキマ時間に1日15分程度ですよね?
できれば、コスパ重視で70点台以上をキープできる科目を選びたいはず!
そこで、元社会科教師のニャマ先生が、2026年共通テスト社会全科目を解いてみました。
17年のブランクがあり、しかも新課程の教科書すら見たことない、ノー勉で解いています。
定期考査前に勉強している高校生よりも、ニャマ先生のほうがショボいです。
僕が解いてみた結果、どの科目がコスパがいいか、ぜひ社会科選択の参考にしてください。
・文転も視野に入り始めた受験生は、こちらもご覧ください。
共通テスト社会科目の難易度
ニャマ先生が共通テスト社会を解いた結果
ニャマ先生が、2026年の共通テスト社会全科目を解いた結果が、こちらです。
| 科目 | 地総・地理 | 歴総・日本史 | 歴総・世界史 | 公共・政経 | 公共・倫理 |
| ニャマ | 73 | 79 | 87 | 94 | 75 |
| チート数 | なし | 1問 | 5問 | 3問 | 7問 |
| 平均 | 61.8 | 62.2 | 60.8 | 63.5 | 64.2 |
ニャマが、ノー勉で解いてみた得点です。
チート数は、分からない言葉で選択肢がしぼれず、グーグル先生に聞いた問題数をさします。
ニャマ先生は大学でも歴史を専攻したくらい歴史オタクなので、受験生の多くの皆さんとはズレると思います。
現役のときは、山川の「詳説世界史」をほぼ丸暗記していまたが、今では60%以上忘れました。
それでも、チート数を見れば、暗記の負担か可視化されている、と言えます。
地理総合・地理探求の難易度
- 暗記量:少ない
- 読解量:かなり重い
- 得点の取りやすさ:70点台が取れたらいいほう
- 向いている人:国語の現代文が得意な人
地理はセンター試験時代から、90点以上を取りづらいと言われています。
暗記より、グラフ、地図、文章の読み込みという国語力が試される科目だったからです。
(国語の第3問実用的な文章(グラフ・表)も、勉強できます。)
共通テストはセンター試験よりも解きづらく、時間かけても正解がわからない問題がいくつかあります。
それぞれの地域の特性(気候・産業・人口など)を知っているかだけで、答えられる問題も多いです。
医学部受験で、共通テスト80点以上欲しい人はあまりおすすめしません。
・各問の正答数
| 1地理総合 | 2地理総合 | 3~6地理探求 | |||
| 乾燥地域 | 地域調査 | 世界の自然環境 | 衣類の流通 | 人口と都市 | 川の流域 |
| 3/4 | 4/4 | 4/6 | 3/5 | 5/6 | 3/5 |
歴史総合・日本史探求の難易度
- 暗記量:最も多い(近代世界史も含む)
- 読解力:それなりに必要
- 得点の取りやすさ:70点はとれるが、体力と根性で80点以上もねらえる
- 向いている人:古文も得意、時代ごとや事件の流れを整理して理解できる人
日本史は暗記量が多い科目ですが、中学社会と読解力だけで半分くらいの問題が解けます。
暗記といえば、人物名や事件名など用語に目がいきがちになりますよね?
応天門の変や承久の乱など、時系列で誰が何をしたか整理して区別する力が求められます。
さらに、江戸時代の資料を読ませる問題もあるので、古文の力も大事です。
南朝・北朝の元である長講堂領と八条院領が成立した時期を問うなど、重箱の隅をつく問題がやっかいです。
80点台は狙えるが、分量が多いのがネックです。
・各問の正答数
| 1歴史総合 | 2~6日本史探求 | ||||
| 災害 | テーマ史 | 古代 | 中世 | 江戸時代 | 近現代 |
| 6/8 | 5/5 | 5/6 | 3/5 | 4/5 | 4/5 |
歴史総合・世界史探求の難易度
- 暗記量:高校で初見が多く、分量は日本史の次に多い
- 読解力:それなりに必要
- 得点の取りやすさ:80点以上はねらえる
- 向いている人:時代と場所で雰囲気をイメージができる、流れと特徴を理解するのが得意な人
歴史総合の部分では、2026年の問題において、日本史の深い知識は必要ない印象でした。
世界史は面白いと興味を持てる人と、苦痛で仕方ない人との差が激しいです。
日本史と同様、2,3問は教科書でも説明がほとんどない問題が出ました。
資料はすべて現代文ですが、複数の問にわたってまとめる問題が、必ず大門の最後に問われました。
時間がない人や、暗記が嫌いな人には向かない科目なので、受験戦略として捨てても仕方ないです。
ただ理工系は将来、グローバルに働くことが避けられないので、世界史の知識は必要になるでしょう。
古代から近代、ほぼすべての地域が満遍なく出題されていました。
・各問の正答数
| 1歴史総合 | 2~5世界史探求 | |||
| 近代の都市 | 法の運用 | 歴史の伝達 | 帝国 | 税制度 |
| 8/8 | 7/7 | 5/6 | 4/6 | 4/5 |
公共・政治経済の難易度
- 暗記量:地理の次に少ない
- 読解力:かなり重要
- 得点の取りやすさ:高得点をねらえる
- 向いている人:国語力がある人、ニュースをよく見る人
政治経済は、中学の公民と重なる部分が多く、高校で新しく覚えることが少なく見えます。
知らない用語が出ても、グラフや資料の読み取りだけで、正解できる問題が多いです。
公共は知識ゼロ、政治経済は中学レベルのニャマ先生でも、94点取ることができました。
問題は、地理よりも解きやすい印象を受けます。
ただし、2024年の平均点44.35点と、平均点が乱高下しているところは要注意です。
過去問をたくさん解いて、安定した得点を目指すべきでしょう。
・各問の正答数
| 1,2公共 | 3~6政治・経済 | ||||
| 社会保障 | 文化と宗教 | 国際関係 | 経済政策 | 地方自治 | SDGs |
| 4/4 | 4/4 | 6/6 | 6/6 | 4/6 | 6/6 |
公共・倫理の難易度
- 暗記量:世界史の次に多い
- 読解力:かなり重要
- 得点のとりやすさ:取りづらい
- 向いている人:この世はクソだと思う中二病患者、2日間の塗り絵大会に人生を評価されたくない者
倫理は、高校で初見の内容が多い科目です。
他の社会科目と比べて、教科書の暗記が多いように見えました。
西洋近代の哲学者について、主張した内容を深く知っていないと正誤の判断が難しいです。
心理学や現代倫理(AIの利用など)は、学校で習っていないと、つかみどころがないかもしれません。
心理学は、教師、スクールカウンセラーなど、人と深く関わる職業では重要な知識です。
医療関係、創薬研究、エンジニアリングなど、人命や生活の根本にかかわる分野では、現代倫理は避けられない課題ではあります。
とはいえ、受験戦略上、負担を考えると選択肢に入れることはおすすめしません。
私立大学の一般個別試験でも倫理を出題するところは、日本大学文理学部A方式くらい珍しいです。
公共・地理総合・歴史総合の難易度
公共・地理総合・歴史総合(以下、公地歴)は、3科目から2科目選択する方式です。
国立大学の理系(一部文系)で、利用できる大学もあります(ただし、東大等は利用できない)。
問題は次のような感じです。
| 公共 | 第4問まで(うち大問2つが、公共政経、公共倫理と同じ) |
| 地理総合 | 第4問まで(うち大問2つが、地理総合・地理探求と同じ) |
| 歴史総合 | 第2問まで(1つが日本史探求、もう1つが世界史探求と同じ) |
本当に時間がない受験生は、過去問を解いて間違った分野だけ復習するやり方があります。
公共と地理総合は、中学の社会の知識でほとんと対応が可能です(ニャマ先生の感想)。
知識ゼロだとキツイかなと思うのは、歴史総合の世界史分野ではないでしょうか。
理系国公立大学での共通テスト社会選択
代表的な国公立大学の理系学部で選択できる社会科目は、次のとおりです。
2027年の入試では、公地歴を選択できる大学が多いことがわかります。
ただし、広島大学、岡山大学などの一部の地方国公立大学では、公地歴を選択できません。
| 大学 | 学部 | 社会科目 |
| 東京 | 理科各類 | 地理、歴日、歴世、公政、公倫のうち第1解答科目 |
| 東京科学 | 理工学系 医歯学系 |
地理、歴日、歴世、公政、公倫から1科目 |
| 北海道 | 理系各学部 | 地理、歴日、歴世、公政、公倫から1科目 |
| 東北 | 理系各学部 | 地理、歴日、歴世、公政、公倫から1科目 |
| 名古屋 | 理系各学部 | 地理、歴日、歴世、公政、公倫から1科目 |
| 筑波 | 理系各学部 | 地理、歴日、歴世、公政、公倫、公地歴から1科目 |
| 名古屋工業 | 工学部 | 地理、歴日、歴世、公政、公倫、公地歴から1科目 |
| 大阪公立 | リハビリ以外の 理系各学部 |
地理、歴日、歴世、公政、公倫、公地歴から1科目 |
理系におすすめの共通テスト社会科目
理系の社会選択は、「地理」か「公共・政治経済」が王道です。
理系教科の勉強が順調なら、「歴史総合・日本史探求」など好きな科目を選んでもいいと思います。
しかし社会に時間をかけられず、コスパ重視で乗り切りたいなら、次の選択がおすすめです。
- 地理
- 公共・政治経済
- 公共・地理総合・歴史総合(うち2科目)
ただしこれらの科目は、高得点が取りづらかったり、平均点の上下が激しかったり、欠点もあります。
共通テストの配点が高く、高得点を狙いたいなら、「歴史総合・日本史探求」もアリです。
・文転を考えているなら、こちらの記事も読んでください。
共通テスト社会コスパ重視の勉強法
時間がない受験生におすすめしたいのが、「逆算式勉強法」です。
- いきなり過去問を解いて、合格に必要な得点と勉強日数を算出
- 過去問で間違った問題や単元から基礎固めをする
- 正答できなかった理由をすべてつぶす
なかなか参考書学習や基礎固めが終わらない人に、おすすめの勉強法です。
縄文時代や憲法だらだらやって、まだ参考書の5分の1も終わってない、なんてことをありますよね?
そんなことがないように、このページを閉じたらすぐに共通テストの過去問を解いてください!
過去問を解いて、合格に必要な得点と勉強日数を算出
ニャマ先生はもともと社会の先生なので、ノー勉でも平均点以上を出しました。
得点が30点から50点、あるいはそれより下の受験生もきっと多いはずです。
今は解けなくても、共通テスト本番で合格点が取れればいいと、気持ちを切り替えてください。
まずは、合格に必要な得点と勉強日数を算出します。
数Ⅲと化学・物理の基礎が固まっていないなら、英語と古文を優先して、社会は1日15分でもいいです。
8月から数えてあと160日ですが、約40時間はあると思います。
合格に必要な得点が、70点の人もいれば、85点の人もいます。
70点なら各大問につき、ミスを2問以内に減らす必要があると計算できます。
難易度で解説した表を見れば、どの科目も大問6で、それぞれ6~4問くらいなのがわかります。
過去問で間違った問題と単元を復習する
目標とスケジュールが決まりました。
次にすることは、過去問で間違った問題1問ずつ、なぜ間違ったが復習することです。
河合塾の黒本、駿台の青本など、解説がわかりやすい本を使って1問ずつ復習します。
さて、間違った理由は、何でしょうか?
- 知らない単語があった
- 単語は知っていたが、内容や因果関係までは知らなかった
- 問題文や資料などで、読み間違いがあった
- 以上の3つが複雑に重なった……など
知らない単語は、用語集や教科書の索引から調べましょう。
用語のあるページをめくれば、単元が明らかなので、ふせんを貼る、紙切れを挟む、ページを折るなどしてください。
さて、言葉の意味や前後の内容を読み返すだけで、解けるでしょうか?
分かっても分からなくても、過去問についている解説を読みます。
解説の文章が読む気になれないなら、YouTubeでその単元を解説している動画を見てください。
AIに質問をする人もいますが、AIは情報ソースがあいまいなままウソを答えるケースも多いです。
この解説を理解できないと、あなたが何を間違えたのか明らかになりません。
解説を読んで正解の導き方がわかったら、あなたが間違えた理由を突き止めます。
この作業をしないと、似た問題が出た時、あなたはもう一度間違えるでしょう。
時間がないなら、この瞬間に確実に正解できるようになるまで終えてはダメです。
その日のうちに、赤シートで言葉を覚えなおしておきましょう。
参考書に書いてない場合は、その単元のページに書き込んだり、メモを貼り付けるなり、何度でも見返せる状態に加工してください。
・共通テスト対策におすすめの参考書
・地理
・公共・政治経済
この作業を、間違えた問題すべてにやってください。
正答できなかった理由をすべてつぶす
間違った問題すべての復習が終わったら、もう一度過去問を解いてください。
初見で解いたときよりも、見るべきポイントや用語の意味も理解しているはずです。
そこで、別の問題を間違えたら、同じように復習をしましょう。
苦手な単元がある程度、わかってくると思います。
参考書で自信がない単元や、学校でくわしく教えてもらっていない単元、間違った理解をしていた単元など、
それらを参考書で重点的に、覚えなおしましょう。
おそらく赤文字の用語だけ覚えても意味がなく、その内容や周辺についてよく理解する必要があるとわかると思います。
長々と説明しましたが、要するに、過去問を解いて、参考書で復習することを繰り返すだけです。
共通テストのレベルなら、一問一答を使う必要がないです。
共通テストは、細かい用語の知識よりも、知識を使う能力を問うています。


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