将来何がしたいかわからない高校生が知るべき事

Career choices for high school students 進路

進路について、「夢がない」「向いているものがわからない」「専門分野に興味ない」高校生のための記事です。

日本の高校生は、約8割が将来に不安を感じるようです(国立青少年教育振興機構2023年)。

進学校の先生は「地元の国公立大学を目指しなさい」くらいしか話していませんよね?

自立した大人として、少し距離を取って広い視点で世の中を見れば、もっと将来のことがわかるはずです。

この記事では、高校の先生もあまり話さないことを説明します。

高校生が将来を決める前に知るべき事

高校生のゴールは大学合格?

とくに進学校の高校生は、自分の将来をまじめに考える機会がないです。

工業科など職業科の高校生は、就職を見据えて社会で使う能力を3年かけて学んでいます。

が、進学校では大学入試が立ちはだかるせいで、偏差値などの学業成績にしか関心がないでしょう。

小学生なら、将来の夢はサッカー選手でも別に問題はなかったはずです。

しかし部活動や趣味でやるサッカーと、プロとしてお金を稼ぐサッカーはまったく違うと気づいていますよね?

ジュニアユースですら、J2以上のチームにスカウトされるのは約8%です。

スマホ中毒の高校生と、フォロワー100万人以上のインフルエンサーとの差だとも言い換えられます。

もちろん想像力も倫理観も足らずに、SNSに迷惑行為をさらすバカは論外です。

旧帝早慶MARCH国公立という大学も、中学・高校受験としか比較できていないのではないでしょうか?

星の数ほどある選択肢から、5年10年先に実現できそうな将来像をもって目標を決めたことないはずです。

これはスマホを見ながら自転車の傘さし運転するくらい、前方の将来が見えていないと言えます。

大学合格=ゴールが、危険な理由を説明します。

大学を偏差値で選ぶ危険

偏差値、つまり入試の難易度だけで大学を選ぶと、後悔します。

僕は偏差値で大学を語るのはけしからん的な理想論を言っているのはありません。

高校生があまり知らない「闇」の問題があるからです。

  • どの大学も不登校になる学生が昔から一定数いる
  • 大学生活になじめず友達もできず留年・休学・中退する
  • 授業をサボってもだれも叱らないから、自己管理できないと詰む
  • 大学の勉強に興味が持てず、ついていけなくなる
  • 将来の不安という問題がより強くなる

大学生は高校時代とまったく生活環境がちがい、朝起きる時間からほとんどの行動が「自由」です。

授業をサボってごろごろしても、奨学金を散財しても、犯罪で捕まっても、だれもあなたを助けません。

学生時代を空費すれば、東大生ですら社会での評価は高卒ニートと同類です。

「自由」に甘えた結果、無気力なひきこもりに堕落して再帰できなくなるリスクがあります。

しかし実際は真面目な学生が「自由」に耐えられず、目標を失って不安で病んでしまうケースが多い印象です

僕も地方の国立大学に通っていましたが、急に大学に来なくなった知人や友人がかなりいました。

彼らは繊細で真面目な学生だから、不安に押しつぶされて自己管理どころでなくなったように見えます。

ショックを受けるかもしれませんが、20年前と現在であまり大きな差はない感じがしますね。

こんな学生のために、どの大学にも学生相談室(スクールカウンセラーより歴史がある)があります。

偏差値低い大学を選んでも危険

高校時代まじめに部活や勉強をがんばった人ほど、目標を失くすと危険なのはわかると思います。

大学生になれば、目標や計画を自分で立てて行動しないといけないからです。

ならば初めから、目標も計画も低ければいいんじゃないか、なんて思っていませんか?

「無理にガリ勉しても精神を病むんだから、努力せずに受かる大学に行けば問題ない」と。

詰め込み教育が不登校やひきこもりを生む、という批判は昔からありますが、根本的な論点からズレています。

無理せず受かる大学に行っても、環境の激変がストレスとなって中退するリスクは同じです。

しかもそのような大学では、より自己管理能力の低く、主体的にサークル活動する気力もない学生が集まります。

人生で努力したことがないから、就職も週休1日で月給15万円前後というような会社しか選択肢がないでしょう。

例外的に100人に1人くらい偏差値の低い大学出身でも、TOEIC900点取るような優秀な人もいます。

それは、その人個人がまわりの環境に流されず自力で努力できる能力があるからです。

将来の夢や目標がない人ほど、社会は絶望的で真っ暗闇な世界になってしまいます。

進学校ほどニートが生まれやすい

ここまで偏差値が高いか低いかだけで大学を選ぶと自滅する理由を説明しました。

大学に入ってひきこもりになったり、就職に失敗して社会的不適合者になる背景もわかりましたよね?

つまり高校生のうちに、社会に出てどう活躍するかリスクと目標をてんびんにかけて考えることができていないのです。

進学校の先生は仕事をしたくないから、地元の国公立大学を目指せといって、大量の宿題を出します。

各生徒のレベルに合わず、答えを書き写すだけでも、未提出よりましだとなぜか点数を付けていませんか?

先生も生徒も国公立目指して勉強(指導)しているフリを演じていれば、お互い平和でいられるのです。

国公立をMARCHや関関同立に置き換えても同じですが、悪い意味の利害関係が成立しています。

だからある高校生がeスポーツや声優の専門学校に行きたいと言っても、止める先生はいないでしょう。

先生にとっては、社会で通用するかはともかく問題事を起こさず高校を卒業してくれる方がありがたいです。

そんな高校生が専門学校に行っても、やはり高校で通用した勉強するフリを続けるでしょう。

このやり方は社会で完全に居場所を失くすが、先生はわかっていても指摘しません。

進学校は3年弱で大人になる人間相手に、社会との関わり方よりもモルの計算を教える学校だからです。

この種の批判は、小学校から大学までの仕組みが完成した明治時代末から繰り返されてきました。

「煩悶青年」、「サインコサイン何になる」、「か弱き大人の代弁者」という言葉をググればわかります。

だから先生の言うことを聞いているだけは、あなたの人生は明るくならないのがはっきりしています。

将来何をしたらいいか決める方法

お金を稼ぐ意味を理解する

まず高校生の大半は、定時制の夜間に通っていない限り、仕事の意味を理解していないと思います。

あなたが学校に登校する行為だけでも、無数の名前も知らない他人が関わっています。

電車、バス、自転車、徒歩、いずれの場合も、あなたは見ず知らずの他人に何かしらの対価を支払っています。

しかし毎日、電車の遅延が発生したり、自転車の部品が破損したり、靴底が抜けたりしたら、どうでしょうか。

「金返せ」と文句を言うだけならまだしも、最悪事故にあう危険もあります。

あなたが安全に学校に着けるのは、数多くの他人がそれぞれの責任で仕事をしたためです。

そのような仕事に対して、あなたや保護者がお金を支払っています。

あなたも他人や社会の役に立つことをして、その対価としてお金を稼ぐことができるのです。

単純に時給1,000円などの単位ではなく、責任のある範囲で役割をはたすからお金をもらえるのです。

だから仕事をしているフリでは、通用しない理由がわかると思います。

あなたは真面目なつもりでも、お客さんをケガさせれば、クビどころか賠償金を請求されます。

お金を稼ぐことがあなたが思っているよりも大変な理由です。

ふつうの生活はもっとも難しい

たいていの高校生は、大金持ちよりも自分の両親と同じくらいの給料がもらえればいいと思っているはずです。

実は「親と同じくらい」と言っても、前情報やそれなりの能力がないと「ふつうの生活」は難しいです。

特に儲かっている会社とそうでない会社、大企業と中小企業でも収入に大きな差がよくあります。

一般的には、儲かっている大企業のほうが、休日や福利厚生が手厚く、収入も高いです。

会社の情報は、「就職四季報」や「会社四季報」に書いてあります。

会社を見るときに、注目すべき項目がこの4つです。

  • 3年後離職率:入社から3年以内の離職率。企業体質が原因で離職するケースが多い。25%が目安。
  • 平均勤続年数:新卒から定年間近まで全社員の勤続年数を頭数で割った値。15年が目安。
  • 有給取得日数:給与が支払われる休日。労働基準法で決まっている。11日以上が目安。
  • 平均年収:40代総合職で600万円以上が目安。

もちろん例外もありますが、離職率と勤続年数は「働きやすさ」を知るために重要です。

ちなみに3年以内離職率の高い業種を、厚生労働省が発表しています。

  • 宿泊業、飲食サービス業
  • 生活関連サービス業、娯楽業
  • 教育、学習支援事業
  • 小売業
  • 医療、福祉

企業や事業所によって、働きやすいところとそうでないところがあります。

人生のスタート地点で失敗を避けるために、高校生のうちから情報を調べる習慣をつけましょう。

自分の得意なことを増やす

特に将来何したいかわからない高校生ほど、社会で求められる能力を意識的に身に付けることが重要です。

  • 部活動でもコミュニケーションやチームワークを大事にする
  • 勉強も部活動も目標を立てて、自分で考え工夫して、少しずつ努力する
  • グループ活動では自分から率先して働き、協調できる
  • 自分の考えを論理的で明快に伝える力
  • 目上の人、学校外の人、外国人とも臆せず会話をする
  • 難しいことにチャレンジする勇気がある

これらは有望な企業が選考ポイントで挙げていることを、高校生向けに直しています。

人と話すのが苦手で、努力は面倒くさい、という考えは捨ててください。

企業は会社の将来を引っぱってくれる人を欲しがっているからです。

具体的なスキルとして、どの企業でも重宝されるものが3つあります。

  • 英語
  • 簿記
  • プログラミング

年齢関係なく、高校生のうちから勉強を始められます。

学部学科は将来の職業から決める

将来どの方向に進むかが決まらずに、学部学科を選ぶと遠回りする恐れがあります。

大学を途中で辞めて、別の大学に入り直したり、専門学校に入ったりする人もそれなりの数います。

大学に入ってから方向性が変わることもあるので、一概に否定はできません。

離職率の低い企業=働きやすい会社を選ぶと、結婚して家庭を持つような将来設計を立てやすいです。

 

  1. 「就職四季報」や東洋経済オンラインから離職率の低い企業を見つける
  2.  興味を持った会社が何をしているかサイトを調べる
  3. 「就職四季報」には新卒者の出身大学も掲載している
  4.  目標とする学部・学科を決める

この順序で考えると、「理工学部」「経営学部」「経済学部」に偏ります。

ちゃんと卒業できれば、就職に困ることは他の学部より少ないです。

eスポーツ、イラスト、バンド活動、同人誌販売、ネット声優などは、その合間の時間にできます。

勉強も趣味・遊びもちゃんと両立を目指しましょう。

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