親からの仕送りなしで一人暮らしをしている大学生は、かなりの割合います。
親からの仕送りをしてもらえず、春からの一人暮らしが心配な高校生も多いはずです。
まずは一般的な学費や家賃など初期費用を紹介し、生活費の節約術を紹介します。
学費、家賃、家具・家電、生活費の順で、とっておきの節約法をご紹介します!
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大学生の一人暮らし初期費用
大学の学費
初年度の学費は国立大学か私立大学かで、大きな差があります。
入学金 | 年間授業料 | 施設設備費 | |
国立大学 | 282,000円 | 535,800円 | 学部により別途15万程度 |
公立大学 | 282,000(382,000)円 | 535,800円 | |
私立大学(文系) | 250,000円 | 1,085,000円 | 20,000円 |
私立大学(理系) | 250,000円 | 1,442,000円 | 20,000円 |
おおよそ、国立大学が初年度約81万円、公立大学が約93万円、と公立大学は県外出身者がやや割高です。
私立大学は文系が約120万円なのに対し、理系が約150万円かかります。
ちなみに、私立大学の歯学・医学になると、6年間で3,000万円くらいかかることもあります。
仕送りなしで学費をまかなう方法
学費だけでもため息が出そうな金額ですが、ここから節約術を2つご紹介します!
1つ目が、日本学生支援機構の奨学金です。
1,給付型奨学金
2021年度から給付型奨学金がスタートしました。
奨学金と言えば貸与型、つまり借金のイメージが強いですが、
こちらは返済の必要のない給付型です。
- 住民税非課税世帯(270万円未満)とそれに準じる世帯(380万円未満)
- 国公立・私立・専門学校・高専に入学予定者
- 高校の成績が5段階で平均3.5以上
- 入学金・授業料の全額から1/3までを給付
- 卒業後の返済は不要
- 貸与型奨学金(1種・2種)と併用可能…など
一度審査に落ちても、毎年6月に所得情報が更新されるので、秋以降に再申請ができます。
ただし、申込日から1~2か月後に振り込まれるので、入学金の納付期限に間に合いません。
詳しくは、給付奨学金(返済不要)をご確認ください。
2,国の教育ローン
給付型奨学金が間に合わない人は、「国の教育ローン」をご検討してください。
世帯年収790~990万円までなら、1人につき350万円まで一括で借りることができます。
契約者は学生本人ではなく、主に「保護者」です。
ただし、必要時期の2~3か月前に申し込む必要があります。
詳しくは、こちらをご覧ください。
日本政策金融公庫
3,大学独自の奨学金
私立大学では日東駒専以上の大学なら、大学独自の奨学金制度が充実しています。
主な奨学金
- 授業料全額か半額
- 年間20~30万の給付
- 月額3~5万円の給付
大学を選ぶ際、大学独自の給付型奨学金が利用できそうかチェックするのがおすすめです。
国公立大学の場合、給付型奨学金制度が充実している大学とそうでない大学があります。
独自の給付型奨学金制度がある大学(例)
- 東京大学
- 東京工業大学
- 一橋大学
- 電気通信大学
- 名古屋工業大学
国立大学の場合、入学料・授業料の減免制度がすでにある大学も多いです。
家賃にかかる費用
学費の次に大きな出費が、家賃です。
家賃相場は地域差がかなりあります。
首都圏 | 月額6万円~10万円 |
関西 | 月額4万~8万円 |
地方都市 | 月額3万円~5万円 |
東京都内でも八王子など郊外になると、家賃4万円台を探すことができます。
家賃の目安は、月生活費の約1/4くらいです。
賃貸契約を結ぶ際、家賃とは別に最初に家賃約5か月分の費用が掛かります。
仲介手数料 | 不動産屋を介して契約したとき支払う紹介料。家賃1か月分くらい。 |
敷金・礼金 | 敷金は退去時の部屋の修繕費などに使用。不要の場合は返金される。 礼金は大家さんに支払う金額。家賃1か月分くらい。 |
前家賃・前管理費 | 契約した月に翌月分の家賃・共益費もあわせて支払います。月途中で契約した場合、家賃は日割りで計算されます。 |
鍵の交換費用 | 鍵の種類によりますが、1万円~2万円くらい。 |
共益費 | 廊下・エレベーター・外壁などの管理費用で、月額数千円。 |
火災保険料 | 契約時に2年間の火災保険に加入します。 |
保証会社利用料 | 契約時に連帯保証人を立てられない場合、保証会社を利用します。 家賃の半額から1か月分。 |
物件によっては、敷金などが不要な物件もあります。
これは契約時に最低限かかる費用なので、節約は難しいです。
仕送りなしで家賃を節約する方法
家賃を抑えたい場合、学生寮・学生会館がおすすめ!
1,学生会館(民間の学生寮)
- 家具・家電が備え付け
- 朝・夕の食事つき
- 完全個室か2人部屋
- 生活費・引っ越し費用は節約できる
入寮時に次のような費用がかかります。
入寮費 | 契約時に支払う費用。4年契約で約24万円 |
保証金 | 賃貸アパートの敷金に相当。約5万円 |
寮費 | 月額6万円台が相場。朝夕の食事代が1日1,000円前後含まれることも。 各寮によって異なります。手厚いところは、月額10万円の場合も。 築年数が古い・相部屋などの場合は安いです。 |
管理費 | 水道・光熱費などで月額1~1.5万円。 |
光熱費 | 電気代、Wi-fiなど通信費で月額5,000円くらい。 |
進学先の地域によって、寮費は異なります。
首都圏は6万円台、大阪だと2万円台のところもあります。
2,大学が運営している学生寮
国公立大学が運営している学生寮は、首都圏でもかなり低価格です。
例:東京農工大学
檜寮(男女) | 月額4万円+水道光熱費 |
欅寮(男子)・桜寮(女子) | 月額4万円(水道光熱費込み) |
楓寮(女子) | 月額7,400円+水道光熱費 |
例:東京都立大学
使用料:4,700円+水道光熱費:6,000円
ただし、2年間限定です!
学生寮は人気が高いので、お早めに応募してください。
3,シェアハウス
東京都内でも3万円代から入居できるところもあります。
シェアハウスのメリット
- 仲介手数料、敷金・礼金がかからない
- 家具・家電つきだから初期費用が安い
- 光熱費は安く済む
ただし、デメリットも
- 共有スペースが混雑しがち
- 清潔の基準が人によって違う
- 価値観が合わない人もいる
シェアハウスによって、男女も国籍もバラバラのところもあります。
内見をしたうえで、自分が生活できるか判断してください。
4,公営団地
もうひとつの穴場が、公営団地です。
- 東京都内(東村山、福生、青梅など)でも3万円台からある
- 部屋が広い(2DKなど)
デメリットは次のものです。
- エレベーターがない
- 設備が古い
- 自治会の行事には強制参加
学生に安く貸し出しているのは、団地コミュニティーの高齢化問題への対策でもあります。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
仕送りなしで家具・家電を節約する方法
学生寮では最低限の家具・家電がついていますが、賃貸では一式そろえる必要が出てきます。
家具・家電・布団カーテン等もかなりの費用になります。
冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・掃除機 炊飯器・等 | 5万円~8万円 |
ベッド・テーブル・マット・ | 4万~5万円 |
布団一式、カーテン | 1~2万円 |
ノートパソコン | 5万円 |
リサイクルショップ、フリマサイトを利用して安く済ませる方法もありますが、時間と手間がかかります。
近年では、家具・家電をレンタルで選ぶことができます。
初期費用、引っ越し費用の節約に便利です。
大学生の一人暮らしにかかる生活費
大学生の生活費のリアル
最後に毎月の生活費をご紹介します。
僕が大阪で生活していたときは、家賃別で毎月5万円あれば貯金ができました。
おおよそ、つぎのような費用がかかります。
インターネット回線 | 5,000円 |
光熱費 | 4,000円~6,000円 |
食費 | 2万円 |
交通費 | 8,000円 |
書籍・娯楽・交際費 | 0~5,000円 |
日用品等 | 2,000円 |
月額合計 | 46,000円 |
僕は毎月2回ほど帰省していたので、交通費が若干多めでした。
家賃を足して毎月9万円ほどだったと思います。
2022年度の学生生活実態調査では、一人暮らしの大学生は毎月12.4万円かかっているとのことです。
学生寮暮らしだと、10.5万円くらいになります。
日本学生支援機構の調査だと、学部生(下宿)の生活費は毎月9.2万円でした。
毎月10万円前後は少なくともかかると、見た方がいいでしょう。
奨学金はいくら借りる
奨学金もさまざまな種類があります。
- 日本学生支援機構(JASSO)の給付型
- 日本学生支援機構(JASSO)の貸与型
- 学内の奨学金制度(給付型)
- 学外の民間奨学金
- 地方自治体の奨学金
給付型の奨学金は、収入条件が限られたり、応募者が多かったり、と狭き門の印象があります。
2022年、大学生の約半数(約49%)が日本学生支援機構の貸与型を利用し、
卒業後、平均310万円の借金を毎月15,000円ずつ支払っています。
就職したての職場になじめていないような、人生のスタート地点では、非常に重い負担です。
- 入社前の説明と実際の職場とのギャップが大きい
- 過剰な残業やパワハラ・モラハラが横行している
などの理由で1年以内の転職を余儀なくされるケースもあります。
たとえ毎月15,000円ずつ返済しても、完済に17年3か月かかる計算です。
結婚や住宅購入などの大事な場面で、人生の足を引っ張る危険が十分にあります。
とはいえ、有利子(第2種)でも銀行ローンと比べても、ほとんど無利子に近いです。
必要書類を出せば、支払い猶予もできる「ゆるゆる」の借金なので、利用してください。
毎月1万円前後を10年かけて返済できる額が、心理的な負担が少ないと思います。
大学生のアルバイト収入
とはいえ、毎月3万円から5万円の奨学金だけで生活するのは、ほぼ無理です。
2020年度の「学生生活実態調査」(日本学生支援機構)では、アルバイト収入が平均366,500円となっています。
流行り病以前は平均401,500円だったので、毎月34,000円くらいのようです。
稼ぎやすいアルバイト
- 深夜・早朝のコンビニ・ネットカフェ
- 居酒屋
- ホテルやブライダルのスタッフ
- 塾講師(集団塾)
- 引っ越し
土日・祝日など大学も休日なうえ、時給が上がりやすいです。
ホテルやコールセンターなどは、専門的な接客ノウハウが身に着くので就活で役立ちます。
居酒屋・飲食店はまかないが出るケースもあり、食費を節約できます。
(必ずまかないが出されるわけではありません。)
ただし年収103万円(月平均85,000円くらい)を超えると所得税がかかるので、気をつけましょう。
1月から12月までの収入が103万円を超えてなければ、10万円近く稼いだ月があっても大丈夫です。
アルバイトは学業とのバランスを考えて、週10時間以内がベストです。
毎月3~4万円でも稼ぐのは、決して楽ではないと覚悟しておきましょう。
生活費の節約術
対人関係スキルは、生活費の節約にとても便利です。
特に、ゼミやサークルを通じて先輩と親しくなっておくと、メリットがたくさんあります。
- 教科書をもらえる
- レボートの書き方など教わりやすい
- 低価格の飲食店を紹介してもらえる
- 優良なバイトを紹介してもらえる
ただし飲み会に毎回5,000円の出費が出たり、自分が後輩におごる立場になると、注意が必要です。
またこの一人暮らしを始めた機会に、家計簿をつけてみてはいかがでしょうか。
家計簿アプリはマネーフォワードMEが、無料版で使用可能です。
銀行口座と紐づけできて、何にいくらお金を使ったか簡単に可視化できます。
僕も1年以上使用しています。
iPhone版はこちら
android版はこちら
なお社会に出て、絶対必要になる能力はこの3つと言われています。
- 英語
- プログラミング
- 簿記・会計
お金について考える機会が増えるので、FP(ファイナンシャルプランナー)3級・簿記3級の資格取得を目指してもいいのではないでしょうか。