私は塾講師として、ざまざまな中学生・高校生の指導をしています。
受け持った子供たち全員、成績を伸ばして目標をかなえてほしいと願っていますが、
残念ながら、塾に入ってからあと伸びする子とそうでない子がいるのが事実です。
私自身も落ちこぼれ状態から塾であと伸びした子供だったので、あと伸びする子の特徴をご説明します。
あと伸びする子と伸びない子の特徴
あと伸びする子の特徴
将来、社会で活躍する大人になるために、重要な3つの力があります。
- 体力
- 気力
- 学力
4つ目に、コミュニケーション力や人間関係力を加えてもいいでしょう。
なかでも、成績は2気力と3学力に関わります。
学力が上がることで自信がつき、それが目標まで努力を続ける強い意志につながります。
塾をご利用する際、家庭や学校では解決ができない問題があるはずです。
これまでの学習習慣や成績にかかわらず、子供本人の努力次第であと伸びすることができます。
あと伸びする子の特徴は、次の3つです。
- 自分を変えたい意志がある
- ウソをつかない
- 切磋琢磨できる友達がいる
1,自分を変えたい意志がある
成績が伸びた子は、みな「自分を変えたい意志がある」ことが共通していました。
成績が落ちこぼれていた子でも同じです。
この気持ちがあるから、宿題をはじめ、テストに向けた自主学習も続けていくことができます。
逆にこの気持ちがない子は、勉強が味気ないから、目の前の快楽や誘惑にすぐ負けてしまいます。
勉強する目的が、自分のためでなく、親に怒られないためになっている子供は、成績が低迷します。
あと伸びする子は、テストの結果が悪いとき、自分の責任だと受け止め、何をすれば改善するか、考えます。
そんな子は、たとえテスト結果が0点でも、次は5点に増やすために自分にできる努力を始めるでしょう。
だから、日々の勉強は自分が成長できる意味のあるものに感じられ、努力と自信がつくのです。
2,ウソをつかない
教師の指導や助言に素直に従う子は、紆余曲折があっても成績を伸ばすことができます。
しかし、現在の自分の実力を受け入れず、勉強が無意味だと心の底で思っている子供はよくウソをつきます。
もっとも多いのが、宿題をやったというウソです。
親や教師にウソをつくことが習慣化してしまっていると、教師の言葉はほとんど効果がないでしょう。
逆に、あと伸びする子は、宿題をほとんど期日までに終わらせています。
だから現在の学習状況について、そもそもウソをつくメリットがないのです。
教師の指導に疑問があれば、その場で質問をします。
教師も子供もはっきりした目標を共有することができます。
3,切磋琢磨できる友達がいる
同じクラスや身の回りに、勉強を頑張っている友達がいると、モチベーションを刺激します。
次のテストでどこまで頑張ればいいか、目標を決めやすいです。
中学生、高校生までは友達関係の範囲が同じ学校内のようにごく限られています。
良くも悪くも子供が毎日接している範囲の友達が、子供の知る世界のすべてになりがちです。
現在の自分の成績より少し高い位置の友達が、どんな勉強をしているか見習うことができます。
ただし周囲の友達も勉強へのモチベーションが低いと、同じ方向に引っ張られやすいです。
あと伸びしない子の特徴
残念ながら、次の特徴に当てはまる子供は、成長がきわめて難しいです。
- 何事にも無気力で消極的
- 言い訳が多く他責思考
- 逃げ癖がついている
- 五十歩百歩な比較をする
1,何事にも無気力で消極的
ここ十数年、無気力な子供が増えたと、個人的に実感します。
「努力しても報われない」、「挑戦よりも安全な環境でのんびりしたい」、という風潮が強いようです。
親御さんも、子供の成績にはこだわらない、という考えが増えてきています。
「子供はただ他人に悪さをせず、元気に生きているだけで十分だ」、という意見もおっしゃる通りです。
親御さんの子供時代と比べて、社会全体にただよう手詰まり感を子供が敏感に感じ取っているとも言えます。
「無理ゲー」、「親ガチャ失敗」など、いう言葉が若者に根付いてしまっています。
とはいえ、中国、韓国などアジアの国、アメリカ、ヨーロッパに比べたら、日本の子供はまだ恵まれた環境にいます。
努力次第では、子供が自分の力で「安心できる生活」を手に入れるチャンスはまだまだあります。
「かわいい子ほど旅をさせる」べきではないでしょうか?
不謹慎かもしれませんが、親がいなくなった後、子供は自力で生活していかないといけないのです。
2,言い訳が多く他責思考
大人が悪い環境が悪いなどの言い訳は、子供が自己責任から逃げるには都合がいいです。
勉強もスポーツもできないのは、自分ひとりの責任ではないから、できなくてもいいのだと言えてしまいます。
少し努力すれば手に入ることすら、腰が重く、さんざんうるさく叱られても取り損ねる。
ひとりひとり生まれ持った環境、遺伝子、生い立ちなど、違いがあるのは当然です。
それでも子供が自分から動かなければ、自分の環境は好転しないし、欲しいものも必要なものも何一つ得られませんよね。
大人でも自分の力ではどうにもならないことは、たくさんあるはずです。
が、努力をせずに社会が悪い政治が悪いなど、言っている人は、どんな人が想像がつくでしょう。
二十年後、三十年後のお子さんの姿です。
3,逃げ癖がついている
大人でもあると思いますが、新しい習い事を始めたがすぐにあきらめてしまうことです。
せっかく子供が習い事に興味を持ったのに、個性を伸ばすチャンスを棒にふってしまっています。
しかし、子供からやってみたいと言い出したことは、親御さんとの約束を果たすまでは続けるべきです。
習い事が上手くならなくても、学校とはちがう友達を築いたり、マナーや社会性を身につけたりできます。
もっとも大事なのは、ものごと続けること努力することです。
これができなければ、将来なにひとつ能力を身につけられない大人になってしまいます。
お子さんが成人した後も、社会は絶えず変化を続け、技術革新のたびにゼロから新しいことを学びなおすことが必ずあります。
逃げ癖を放置すると、人生で無数のチャンスを逃すことになるでしょう。
4,五十歩百歩な比較をする
努力を嫌がる子供は、同級生と成績を比較する際、自分よりも下の子供と比べたがります。
自分より優れている子供と比べたがりません。
その比較はまったく意味がないどころか、悪影響しかないでしょう。
成績はひとつの学校に属してるときだけの物差しで、学校から一歩外に出れば両者はおなじです。
学校の外では、その子供個人がどんな努力をしてきたかが評価の対象になります。
努力をしなくてよい理由を探している時点で、伸びしろを自分から捨てています。
親があと伸びする子供を育てるためにできること
ここまで、塾に入ってからあと伸びする子と伸びない子の特徴を述べてきました。
成績が伸びる方法は、地に足ついた正攻法だけです。
これは塾の夏期講習に数十万円かけたから、あと伸びする子供に化けるなんて単純なものではありません。
むしろ1冊2,000円未満の参考書で、わからない問題が1つもないくらい何周も解くほうが力がつきます。
お子さんが「伸びない子」の特徴にあてはまる場合、小学校高学年以上なら矯正はかなり難しいです。
文科省も学年が上がるごとに、勉強への意欲が下がることを認めています。
厳しく接しても、指導した内容がまったく響かず、子供の勉強嫌いが加速するだけになってしまいます。
なので、親にできることは、子供を甘やかすことでも、ムチを与えることでもないのは明らかです。
- 子供の課題が何かを定期的に把握する
- 「勉強しなさい」ではなく「学校で何の単元をやっているか」を聞く
- 子供が興味を持ったことは否定せず、始める前にどこまでがんばるか決める
- 子供の結果ではなく、過程をちゃんと観察する
- 子供が悩んでいるときは、話を聞く
- 子供の努力をできるかぎり応援し、努力をほめる
- 子供の話が間違っているときは、間違っていると伝える
- 親御さんも新しいことを学び続ける
親御さんは子供のがんばる姿を見守るほかに、できることはありません。
お子さんの代わりに、入試を受験したり、採用面接を受けたり、面倒な残業を引き受けたりできますか?
ただお子さんががんばるために安心できる場所を守ることは、親御さんだけができます。
お子さんの学習にお困りの方、こちらまでご相談ください。

