中3だけど英語はbe動詞から全くできない。
家庭教師・個別指導塾の講師などをしていたら、あるあるだと思います。
僕も10年以上個別指導で教えているので、あれこれ失敗も成功もしてきました。
学生バイトの先生にはタダの小遣い稼ぎでも、中学生本人の人生があなたの腕で決まってしまいます。
なので絶対にやってはいけない勉強法と効果的な勉強を紹介します。
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英語が全くできない中学生に厳禁な勉強法
自分の成功体験をおしつける勉強法
教える側は、おおよそ学校のテストをそつなくこなしてきた人がほとんどでしょう。
テスト前の一夜漬けで教科書本文を丸暗記して90点以上取った、なんて武勇伝があるかもしれません。
ところが、英語が苦手な中学生は、そもそも持久力もモチベーションもないことがほとんどです。
1ページ分の宿題すらやらない中学生も多いです。
定期テスト2週間前から、計画を立てて単語を覚えて……夢のまた夢。
英文1文どころか単語1個も覚えられない、なんて子も実際にいます。
英語が出来なさ過ぎて、今まで「見ない」フリして放置してきたような子だから、先生を頼っています。
英語が全くできない中学生は、モチベーションが極端に低いです。
まずは自分の経験を捨てて、目の前の中学生の気持ちと行動をよく観察しましょう。
文法を長々と解説する勉強法
中学生のうちは、論理的な英文法の解説はなかなか理解しづらいです。
多くの中学生は、中1の三人称単数や中2の不定詞・動名詞で挫折をします。
英文法の論理的な説明がわかるのは、模試の偏差値50以上の高校生だけと思ってください。
60%以上の中学生には、まず1回の説明だけで理解できません。
中学生の論理的な思考力はまだまだ未熟なので、苦手意識をより強くしてしまいます。
まして、英語が全くできない中学生は、文法から教えては絶対にダメです!
平均的な中学生でも、授業1回につき文法ルール1つしか身に付きません。
英語ができない中学生は、もっと根本的な問題で引っかかっています。
「学習障害」というキャラ付けをする勉強法
宿題をしない、英単語を1個も覚えられない中学生を見たとき、いちばん便利な言葉が「学習障害」です。
この中学生は「学習障害」だから、英語ができなくても仕方ないんだ、と決めつけていませんか?
お金をもらっているのに、教える責任の放棄ですよね。
今まで勉強の習慣が身についていなかったから、モチベーションが低かっただけのかもしれません。
教える側の仕事は、どんな生徒であれ能力を向上させる、ことです。
本当に「学習障害」かどうかは専門家でも判断が難しいですし、それが「勉強」を止める理由になりませんよね。
中学生が宿題をせず、英単語を1個も覚えないなら、教える側の責任と考えましょう。
「学習障害」という言葉で、逃げてはダメです。
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単語を数十回も書かせる勉強法
単語のスペルをノートにひたすら書かせるやり方は、効果があまりないと言われています。
その理由は、次の通りです。
- ただの作業になってしまう
- 英単語の発音が身につかない
- 頭をほとんど使わない
- 手が痛いという苦痛の記憶しか残らない……など
英語が全くできない中学生の多くは、ふだんから英語をノートに書く経験が少ないです。
I am from Japan. もノートの4本罫線にそって書けない子もいます。
そんな中学生ほど、先の理由が重なって、なかなか単語を覚える意欲につながりません。
ノートに書くだけだと、「視覚」だけしか使っていませよね?
そもそも日本語と英語では、根本的に声の出し方や音が違います。
最低でも、発音と意味を声に出すことが大事です。
これ、英語ができる学生の先生にとっても盲点ではないでしょうか?
圧倒的に音読練習が足りていないから、英語を言語だと理解できず、英単語が覚えられない。
英語ができない最大の原因は、音読不足なのです。
発音とスペルのつながりは、こちらをチェック!
英語が全くできない中学生に効果的な勉強法
スモールステップをふむ
英語が全くできない中学生は、勉強へのモチベーションがそもそも低いですし、学習習慣も定着していないことが多いです。
そこから3か月ないし半年でテストの得点を20点以上増やすのは、トラウマレベル級の詰め込み教育になってしまいます。
その後の反動や後遺症のほうが深刻ですよね。
始めは、少ない量の宿題を必ずやってくる、などクリアできそうな課題に制限しましょう。
課題をクリアできたなら、「宿題がんばっているね」とほめることも忘れずに。
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宿題忘れは絶対に許さない
このモチベーションの向上は、簡単ではありません。
「宿題がわからなかった」、「忙しくて忘れていた」など様々な言い訳をして、宿題をしないことが続きます。
家で30分程度の課題をこなすことも、学習習慣のない中学生には難しいことでしょう。
授業の基本は楽しく、「できた」喜びを実感してもらうのが大原則です。
しかし、宿題忘れを許すと、彼らは永久に英語が全くできません。
塾の経営方針にもよりますが、毅然とした態度で「やらない」と「できない」は全く違うと指導しましょう。
頭ごなしに叱責する以前に、「忘れた」理由を聞くことが大事です。
正当な理由がない場合は、宿題を続ける重要性を本気になって伝えましょう。
宿題をやらない以上、高い授業料を払って塾に通う意義はまったくない、と断言できます。
塾・家庭教師の仕事の半分は、宿題をやらせることです。
宿題の出し方にも、工夫があります。
- 授業中にその子が理解できたことに限定する
- その子が続けられそうな分量と内容にする
- 何を宿題に出したかノートやテキストに書き込ませ、付箋を貼る
- 宿題は必ず添削し、できなかった内容は授業に活かす
単語テストで目標を決める
分かりやすい目標は、テストで〇〇点とる、などです。
しかし、学校のテストで思い通りの成績を出すまで、さまざまな課題があります。
いちばん手軽に、英語ができている実感を得やすいのが、単語テストです。
英語の授業では、きほん高校生でも単語テストを課しています。
英語が全くできない中学生に単語を覚えさせるのは、簡単ではありません。
なので、始めは、bag, cat, など3文字の単語がおすすめです。
指導の際、次の点を意識させると効果的です。
- 発音練習を必ずする
- 文字と発音の関係を気づかせる
- 日本語にはない音を音読で覚えさせる
- 宿題で発音練習を録音させる
- 最初のテストは、8語以内に限定
- カンペキを求めない(合格点は70%以上でOK)
書き取りが苦手な子は、フラッシュカードをカルタ取りのようにして工夫してください。
おすすめは音声付きの教材です。
残念ながら、中学生向けの音声つき単語カードは発売されていません。
70語~100語程度の英単語が覚えられてから、英文法問題を始めましょう。
忍耐強く指導する
英語が全くできない中学生は、家庭学習ができない場合が多いです。
宿題を毎回やってくるまでに、3か月から半年以上かかることもあります。
英語は「問題が解ける」、「テストでいい点が取れた」などの達成感をなかなか得づらい教科です。
勉強する姿勢を作るまでが大変ですが、これも教える側の仕事です。
どんなにやる気のない中学生でも、良い点は1つあります。
良い点をほめて、おだてて、「英語でいい点が取れるかも」と思わせてください。
学校の進み具合と比べて、約1年分以上理解が遅れているときも、教える側が焦ってはいけません。
彼らひとりひとりの集中力や理解力以上のことは、課さないようにしましょう。
彼らはすぐにやる気をなくします。
理解度にあわせた指導を粘り強く行っていく他にありません。
定期テストの3週間前は、教科書の例文だけを教えるなど、能力にあわせた工夫が必要となります。
中学生の成長は一進一退なので、教える側の期待した分の7割ができたら順調と思ってください。
教える側は、忍耐強く中学生の成長を見守りましょう。
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