高校社会の選択で、日本史・世界史、地理の選択に迷っていませんか?
知識ゼロの人のために、定期テストや共通テストで高得点のコツを解説します。
筆者は高校の地理歴史の免許を取っているので、日本史全単元の難しいポイントに触れています。
日本史の勉強をゼロから始めようかなと思う人は、ぜひ参考にしてください。
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日本史のゼロから勉強法
中学校と高校日本史の違い
小学校や中学校ですでに2回、歴史(主に日本)を習っていますね。
高校の日本史(科目は日本史探求)でも、同じ人と同じ事件を繰り返し勉強します。
しかし中学校の知識だけで、共通テストを解くのは難しいです。
共通テストは、史料やグラフの読み取り、年代順の並び替え、が大半を占めています。
教科書の内容を分かっている前提で、史料の内容を理解しないといけません。
なので、勉強の難しさは日本史も世界史も同じくらいです。
- 登場人物が多い
- 事件の原因、過程、結果が細かくなる
- 経済・法律などが専門的になる
- だから教科書が分厚く、2年で終わらない
この4点が中学校の歴史と、大きく違います。
特にヤバイのが、学校の授業だけ教科書が終わらないことです。
世界史でも教科書が終わらない問題があります。
高校日本史のいちばんやさしい参考書
この記事の読者のほとんどは、歴史が大嫌いだと思います。
どうせすぐに忘れるし、暗記なんて意味ないし、楽してテストでいい点を取りたいですよね?
ゼロから勉強を始める人は、浅く単元全体を読んでみることをおすすめします。
「金谷の日本史」を読みながら、「とってもやさしい日本史」を解いて全体像をつかんでください。
「とってもやさしい日本史」か「高校日本史をひとつひとつわかりやすく」のどちらか1冊で十分です。
「とってもやさしい日本史」は近いうちに改訂版が出る可能性があります。
「とってもやさしい日本史」が分からない人は、中学生レベルができていない可能性があります。
そんな人は、「高校入試実力メキメキ合格ノート中学歴史」を1冊仕上げてください。
高校日本史の練習問題
「とってもやさしい日本史」ができた人は、教科書の文章が読めるようになっていると思います。
平均点以上を目指す人は、以下の問題をやってみてください。すべて無料です。
教科書の単元 | この記事でのページ分け |
日本文化のあけぼの(旧石器・縄文・弥生・古墳) | なし |
飛鳥時代の練習問題 | |
律令国家の形成(飛鳥・奈良) | |
奈良時代の練習問題 | |
貴族政治と国風文化(平安中期) | 平安時代の練習問題 |
中世社会の成立(平安後期・鎌倉) | 院政期の練習問題 |
鎌倉時代の練習問題 | |
武家社会の成長(南北朝・室町・戦国) | 室町時代の練習問題 |
戦国・安土桃山時代の練習問題 | |
幕藩体制の確立(安土桃山・江戸初期) | |
江戸初期(家康から綱吉)の練習問題 | |
幕藩体制の展開(江戸中期) | 江戸中期(新井白石から田沼)の練習問題 |
幕藩体制の動揺(江戸後期) | 江戸後期(幕末まで)の練習問題 |
近代国家の成立(幕末・明治) | 明治前半(条約改正まで)の練習問題 |
明治後半(日清・日露)の練習問題 | |
二つの世界大戦のアジア(大正・昭和) | 大正時代の練習問題 |
昭和時代(戦前)の練習問題 | |
占領下の日本(戦後) | 昭和時代(戦中・占領期)の練習問題 |
高度経済成長の時代(昭和) | 昭和時代(戦後)の練習問題 |
激動する世界と日本(昭和・平成) |
こんな感じで、教科書は単元ごとに内容量に極端な差があります。
日本史は主人公で整理しろ
日本史は暗記科目だと頑なに信仰している人が、意外とたくさんいます。
え?暗記科目じゃないの?と思うかもしれませんが、暗記は無意味です。
細かな事件や人物の名前を聞く問題は、共通テストでほぼでなくなってきています。
重要なのは、順序立てて教科書内容を理解する力です。
各時代に主人公となる人物が、何を目指して、どんな事件があったか、を整理する力です。
次のような人物を中心に各時代をまとめ直すと分かりやすくなります。
古墳・飛鳥 | 天皇 |
奈良時代 | 天皇、権力者(藤原氏とそれ以外) |
平安初期・中期 | 天皇、藤原氏 |
院政期 | 天皇、上皇、 |
鎌倉時代 | 執権 |
室町時代 | 将軍 |
戦国・安土桃山 | 室町、織田、豊臣 |
江戸時代 | 将軍、老中など |
明治前半 | テーマ(政策、殖産興業、民権運動、条約改正) |
明治後半~ | 総理大臣(各内閣ごと)、総理大臣の出身、 |
各単元の内容整理には、「時代と流れで覚える日本史B用語」
- 本がうすいので挫折しづらい
- 教科書の要点がわかる
どこまで覚えられているか確認したいときは、「スピードマスター日本史問題集」
各単元のむずかしいポイント
各単元のむずかしいポイントを、ゼロから勉強する人のために説明します。
つまずかないための対策法も教えます。
対策は、用語集や資料集を調べるか、「金谷の日本史」を読み返してみてください。
中学校から怪しいなら、「合格ノート中学歴史」を1冊終わらせるのがおすすめです。
天皇を中心に整理してください。
斉明天皇:難波宮、天智天皇:近江大津宮、天武天皇:飛鳥浄御原宮、持統天皇:藤原京、の順です。
中央の公卿(太政大臣)、地方の国司、民衆の税負担を優先してください。
日本史の太字の言葉が多すぎるときは、重要度の高い3つだけにするとわかりやすいです。
仏像の細かな名前はあまり問われません。
飛鳥、白鳳、天平、弘仁・貞観、国風、院政、の時代ごとの仏教文化のちがいに注目しましょう。
2024年の共通テストに天平文化の百万陀羅尼が出ましたが、設問は政治の話でした。
中学校で出てきたのは、藤原道長と頼通だけでした。
覚えるのは、良房(最初の摂政)、基経(最初の関白)、時平(菅原道真を左遷)だけで十分です。
名前の丸暗記よりも、やったことや事件とセットにすると、年代順の区別もできます。
事件名と人物名をセットにすると、整理できます。
源氏は、源頼信(関東を拠点)、源義家(前九年・後三年)、源義朝(平治の乱)、源頼朝、の4人。
平氏は、平貞盛(平将門の乱)、平清盛(太政大臣)の2人。
平清盛と源義朝(頼朝の父)がライバル関係です。
902年以降、偽籍が多く班田が行われなくなり、律令制が崩れます。
武士の誕生とも関係があるテーマです。
詳しくは、「平安時代の練習問題」をご覧ください。
江戸時代は、将軍ごとに区分けするとわかりやすいです。
学校のペースに合わせると、3年生の2学期になっても江戸時代が終わらない、ことも。
共通テストでは、必ず大問1題が出題されます。
学校が縄文時代をやっているときに、江戸時代の先取り学習をはじめてもいいくらいです。
江戸時代の次に内容が多く難しいのが、明治時代です。
前半部分でややこしい3点があります。
- 地租改正など改革が多すぎ
- 自由民権運動の流れが分かりづらい
- 松方財政が意味不明すぎる
明治維新の改革は、廃藩置県、徴兵制、学制、四民平等、秩禄処分、地租改正、殖産興業、があります。
江戸時代の社会と何が変わったのかに注目して整理すると分かりやすいです。
政府は憲法と議会の制定を目指しつつも、民権派の活動を抑制していました。
自由民権運動は、開始、発展、停滞、再興の4期に分けて整理するとわかりやすいです。
松方財政は、銀と交換できない紙幣を回収して、日本銀行だけが紙幣を発行できるようにした改革をさします。
教科書を1回読んだだけでは、サッパリな難しいところです。
詳しくは、こちらで説明しています。
憲法制定後は、内閣と政党が複雑な動きをします。
政党側は、板垣退助の自由党と、大隈重信の立憲改進党がメインです。
政府側は、議会多数派政党を作りたい伊藤博文と、政党に権力を持ってほしくない山県有朋、がいます。
この4者のうち、伊藤博文と自由党系が集まった立憲政友会が、衆議院の多数派政党になります。
内閣制度が始まってから現代までは、内閣ごとに特徴を整理するとわかりやすいです!
まず金融恐慌は、こちらの記事で説明しています。
日本最大の大不況、昭和恐慌までの恐慌シリーズはこちらで解説しています。
共通テストにおいて、明治以降は大問2題が出題されています。
日本史の共通テスト対策
共通テストの出題傾向
ここまで、高校日本史の特徴を説明しました。
覚えないとわからないことが多いうえに、共通テストでは暗記系の問題がほとんど出ないというハードな科目です。
そのうえ、学校では丁寧に説明されない単元が、共通テストの半分を占めます。
2024年共通テストの問題が、次の通りでした。
第1問 | 全時代にまたがる問題 |
第2問 | 古代の問題 |
第3問 | 中世の問題 |
第4問 | 江戸時代の問題 |
第5問 | 明治時代の問題 |
第6問 | 大正から昭和の問題 |
2025年からは、「歴史総合」+「日本史探求」に変わります。
大学入試センターから、試作問題がすでに公開されています。
試作問題の単元は、次の通りです。
第1問 | 歴史総合の問題(近代世界史を含む) |
第2問 | 日本史全時代の問題 |
第3問 | 古代の問題 |
第4問 | 中世の問題 |
第5問 | 江戸時代の問題 |
第6問 | 明治以降の問題 |
日本史の共通テスト対策法
ご覧のように、2025年から受験生にっとってかなり重い負担になりそうです。
ポイントと注意点を整理します。
- 通史を早めに終わらせる
- 共通テスト対策本を1冊終わらせる
- 共通テスト過去問や青本・黒本などにとりかかる
1,通史を早めに終わらせる
高校日本史はあまりに量が多いので、いかに効率よく終わらせるかがカギをにぎります。
理想は学校が縄文時代をやっているころに、江戸時代から後の先取り学習をスタートすることです。
しかし高3春まで、日本史に時間をかけられない高校生がほとんどだと思います。
なので高2からの定期テストでしっかり高得点を維持するのが、最も効率的です。
平安時代や室町時代をまとめて復習する時間は、ほとんど取れないですよね?
通史は、「とってもやさしい日本史」や「時代と流れで覚える日本史」でインプットをして、
「スピードマスター日本史問題集」でアウトプットをすることがおすすめです。
注意点は、人物名や用語の丸暗記になってしまうと効率が下がります。
教科書に書いてある年代順や因果関係を必ず理解してください。
2,共通テスト対策本を1冊終わらせる
共通テストしか日本史を受験しない人は、「きめる!共通テスト日本史」でインプットをして、
「共通テストはこれだけ日本史B 演習編」でアウトプットがおすすめです。
前述の「金谷の日本史」と同じ著者金谷俊一郎が、共通テストに特化してまとめています。
この2冊を高3夏休み中に一周終わらせるのが理想です。
3,共通テスト過去問や青本・黒本などにとりかかる
駿台予備校の青本、河合塾の黒本などの共通テストの実戦問題は、教科書を一周してからがおすすめです。
間違えた問題があれば、解説だけでなく今までに使った参考書や問題集を見返すと効果があります。
過去問や実践問題は、正答数や得点に一喜一憂するのが目的ではありません。
できたつもりになっている弱点を見つけて、基本を復習し直すのが目的です。